エピソード08 究極のセンチメンタルジャーニー

2019.9.1

ウクライナのリヴェブの駅の中はとても暗い。この駅にもBIP roomがあり、そこの部屋は古いけれど明かりがついていてコーヒーとかの売店もある。値段は30フリブニャ…約120円

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すべてがウクライナ語かロシア語…チケット売り場もいくつかあるけど、英語対応ができるのが2番カウンターしかない!O h my god!である。英語は職場でも英語の部品説明書を読んでいるし、切符の意味くらいわかるだろう。問題はlisteningである。流暢でゆっくりなイギリス英語なら何とか聴けるが、アメリカ英語は実は早口すぎて、ゴモゴモで聴きにくい…ましてや、ロシア語訛りやスペイン語訛りの英語ならば、よほど注意深く聞いていないとパニックになりそうだ。

幸い駅構内はwifiが飛んでいたので、Google翻訳のロシア語で、今日のブダペストまでチケットはありますか?いくらですか?安い二等は空いていますか?とスマホを見せた。ところが、今日のチケットは売り切れsold out

…一瞬目の前が真っ暗になった。ウクライナハンガリーの国境まで各駅停車で行って、国境バスに乗って、そこからブダペストまでれっしゃでいくか…いや、いっそのことリヴェブ空港まで行ってブダペストまで飛行機で行くか…これは高くつきそうだ!ブダペストの滞在を1日少なくして、この街に1日留まって次の日出発ならということで、とっさに出た言葉は…can I buy ticket tomorrow?

人間追い詰められると、何とスマートな英会話ができるのか…この時の自分力は我ながら自賛物である。「それなら1席だけ残っている。二人部屋下の段だがあなたはどうする?」「いくらだ?」「1500フリブニャ(約6000円)」たかーーー!!私が泊まる宿の一泊分(700円)の8日分強!!…でもこちとら夏休みと有給をつなげて出てきた手前、ブダペストで飛行機を乗り過ごすわけにはいかない。あらかじめ、こんなこともあろうかと少し緩めに計画を立てていたので、良かった!でも、切符が明日もなかったならば…と思うと決して想定の範囲内なんてことは言えない。何とか切符はゲットしてひと安心…しかしながらチケット見ると、オールロシア語、宿に帰ってオーナーに英語で「この数字は列車の到着時間。この数字は21番の部屋の下段ベッド。寝台国際列車だね。」などと詳しく教えてくれた。

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さて、そんなこんなでいよいよホームにブダペスト?行きの列車が来た。?というのは実はブダペストよりももっと先が終点…たぶんウイーン超えてドイツ(フランクフルトあたり)が終点という意味、ここらの事情は次回のお楽しみとしたい。

さて、21号室に入ると先客が上段のベッドにいた。「hello!よろしくね。私は日本から来た会社員です。あなたは?」キエフから出稼ぎにドイツに行く途中だということだ。ベッドからニュッと覗き込むその姿…あれ?このシーンどこかでみたような?そして登場人物の誰かに似ている!確か、「LIFE is beautiful」という泣けるイタリア映画の主人公がアウシュビッツの収容所の中で友達だったバルトロメオだ!!たぶん、この映画を見た人は知っていると思うが、正直脇役も脇役、でもさりげなく存在感のあるユダヤ人の友達だ。

これからこの人物をバルトロメオと呼ぶ。

そしてこれが"バルトロメオ"との出会いだった。f:id:furton_13:20191014215825j:image
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