エピソード09 乗り越した!やっちまったぜ。

2019.9.1〜9.2

バルトロメオ君…名前を聞くのを忘れたので彼をこう呼びます。3年前、奥さんと離婚したが、キエフで元奥さんと住んでいる娘の結婚式に出た帰りだそうだ。ロシア語とドイツ語を話すが、英語もカタコト程度に話す。私と同じくらいのレベルとあってか、お互い何が言いたいか探り合いながら話した。彼はフランクフルトでとある自動車メーカーで働いているらしい。

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ウクライナのchop(チョーブ)という国境の町を越えるといよいよウクライナsimカードが怪しくなってきた。Google翻訳も使えない。カタコトの英語でお互いの身の上を話した。私がなぜ旅行しているのか。家族の様子はどうか。

おもむろに、「隣の部屋にいる金髪青い目の女性は美人だ??…一緒に遊びに行こうか!!」…バルトロメオ…おまえ、なかなかのちょい悪オヤジだな……あなたが嫁さんと離婚したのも案外そのあたりにあるのかも…と詮索するも束の間、残念そうな顔してかえってきた。なんと、隣の部屋へ行ってウクライナ美人に声をかけてきたのだ。…バルトロメオ…イタリア人みたいで羨ましいぞ!!私も、その勇気が欲しい。どれだけ単独一人旅をしているかといっても、あなたの真似はできない…リスペクトしてしまう!でも、とても無邪気な笑顔が憎めなくて私もついついペースに巻き込まれてしまう。まるで、学生時代に戻ったみたいな懐かしい感覚だった。

私もおこぼれに与れるかと思いきや、「子どもが寝てるので今日はダメ!」と言われたらしい。そうか…それは残念だった(密かに私も残念だ!)私もバルトロメオも何とかお互いのツーショット写真だけは撮らせていただいた。ここで私とバルトロメオのツーショット写真を撮るのを忘れてしまった!いつもそうだが、男同士の写真はなぜか撮るのを忘れる…この辺りが私らしいと言えばそうかもしれない。これについては昔、モントリオールのゲストハウスで「男同士ツーショット写真を撮ろうか?」と言ったら「私はゲイではない」と言われて断られた苦い思い出がある。それからか…あまり撮らなくなったのか小さなトラウマになっているのか進んで撮ろうとしなくなった。

…でも、あなたの勇気に私は感動して、日本お土産を進呈した。それは、100円ショップで買った太陽電池で動くまねきねこ!これは、私の職場の近くの100円ショップで買ったもの。

私は、一見とても真面目そうでとてもくだけた男にシンパシーを感じた。ウクライナで買ったウォッカとワインを開けて🍷お隣のウクライナ美人の子供が起きないように、ひそやかに酒盛りをした。お互い英語で言葉を探しながら、理解しているのかしていないのかわからなかったけど、楽しかった!

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突然、ドアのノックの音がしてウクライナの出国審査官が入ってきた。パスポートを渡し、バッグの中をくまなく覗き込み、いくつかの質問をされ、去っていった。「おいおい!パスポートは持っていくのかよ!」もし、偽の出国審査官で泥棒だったら…と思うと、不安で仕方なかった。しばらくしたら、またノックして入ってきて、パスポートは返された。おお、何というドキドキ感、そして、ハンガリー入国の際も入国審査官が入ってきてパスポートチェックとパッゲージチェック…こちらは何事もなくすんだ。空港の入国審査はカウンターでカメラを見てパスポート渡してokですごく呆気ないのだが、陸路国境はなんとも心臓に悪い。でも、四方海に囲まれた日本では体験できないことなので、それはそれで感動ものである。

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ハンガリー入国後もバルトロメオとしばらく話していたが、そのうち疲れと眠気が出てきたのでお互い自分のベッドに戻った。

……どれくらい寝ただろうか…ブダペストはまだか…まだ、列車は動いているな…

突然、sige sige!という声で起こされた。

You are getting over.…getting over.!!getting over.!!!しばらくボーッとしていたが、状況が飲み込めた。どうやら、ブダペストを通り過ぎたようだ。のりすごしてしまったあああ!!OH my god!!!である。バルトロメオも私がとっくに下車しているものだと思っていたら眠っていたのでびっくりしたみたいだ。次の駅は…どうやらスロバキアと、オーストリア国境の近くまで来たらしい。Gyor(ジェール)というハンガリーの西の端の町まで来た。あと3分ほどでその駅に到着する。急いで、降りる用意をして、バルトロメオにわかれをつげた。最後までこの軟派なウクライナ人の名前を覚えられなかったが、とても名残惜しい!こんなことならば、Facebookで友達申請しておくのだった。

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本当にありがとう。おこしてくれて。もう会えないだろうけど、悪友になれそうな人物だったけど、なぜか私に似ていてとても懐かしかった。たぶん会えないけど、またどこかで会おうバルトロメオ!まさに、LIFE is beautifulやね。

 

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