エピソード04 キエフでgo! 会話ができない!悲しき偽サムライ😭

エピソード04

2019.8.30

お化け屋敷(笑)ゲストハウスにはミンスクから来た20代の女性2人がいた。「プリペタム(こんにちは)」憶えたてのロシア語で挨拶をする。彼女らもキエフの街に旅行に来ているらしい。同室の日本語が話せる名古屋で働いていたロシア人名前はレザノフ…目は少し青みがかっているが髪の毛は黒、あごひげをはやしていて少し雰囲気が柳ジョージに似ている…アジア系が入っているナイスガイである。でもれっきとしたロシア人…彼は、名古屋のとある大学のロシア語の講師をしていた。日本語が本当に上手だ。レザノフは気を利かせてくれて、彼女たちのロシア語を日本語で話してくれる。

f:id:furton_13:20191128022000j:image

 

言葉が通じないという事はそれだけで本当に情けない。このような経験を何百回としてきている。特に美しい女性となると気の利いた言い回しも、返答もしなければいけないのだが、それができない…ましてやこちらから言葉の通じない外人に声をかけるのは赤ん坊が女性をナンパしているか、釣り人がエビでクジラを釣ろうとしているかに等しい行為だと思う。異国では命とお金以外は失うものは何もない…そういう思いで食らいついていく事も必要なのかもしれない。相手にしても、言葉が通じないのでゼスチャーで何かを伝えようとしている意図はわかっているのだから。

f:id:furton_13:20191128032202j:image

夕飯の時間になったので、みんなで夜の街に繰り出す事になった。食事とお酒の飲める店へ入りウクライナ料理を食べながら色んな話(私は通訳越しだが…)をした。レザノフの存在は本当にありがたい。おかげで彼女らとも意志の疎通ができた。彼女らの名前はオリガとマリア、バカンスを利用して隣の国ベラルーシ(白ロシア)から旅行に来ているらしい。キエフに2日ほどいてそこからルーマニア 方面に行き、イスタンブールまで行って帰ってくるという旅程だ。

レザノフはとあるロシアの大学で日本語を専攻し、教授のつてで名古屋の大学にいたのだが、復学して今はロシアの大学のマスターコースにいる。

f:id:furton_13:20191128033531j:image

私はというと、日本の福井の片田舎の会社員で海外旅行が好きだ…ベラルーシの彼女らは言葉の通じない国を陸路でいく私の旅行スタイルに驚いていたようで、日本に対する変な誤解もあり、「あなたはニンジャの子孫か?」とか「サムライの子孫か?」とか聞かれた。なんて答えたらいいのかわからなかったので、レザノフには「サムライの子孫だと言ってくれ」と冗談めかして言った。…真実は…私はたぶん農民の子孫である。近くの山には小さな国城はあるが、そこの家来だったという確証はいまだにない。浴衣を着てギターを演奏する「ギター侍」はやった事あるが…笑笑

f:id:furton_13:20191128033822j:image

ゲストハウスでの出会いは、老若男女の敷居を本当に低くしてくれる。おかげさまで、若者のツヤツヤの肌もとうに消え失せて、加齢臭香るこんなオヤジでも違和感なくご飯に誘ってもらえる。…そうか!普段から気持ちだけでも若いふりをしている成果がここに現れたのか…年相応ではなく、思考だけは若者並みに柔軟にしておきたい…大事なのはそう努力することかもしれない。

オヤジがそれをするのはリスクもある。第一に変に若者に近づこうとして、気味悪がられてしまう事。第二に年相応の軸足を外した事で自分の表現方法が分からなくなってしまう事。なので年相応の軸足は外さずに自分の世界でいろいろ趣味レーションをする。普段は昭和の香りのする少し意固地なオヤジの方が分かりやすいのかもしれない。その方が、周りも接しやすいのかな?と時々思ったりもする。

しかし、いっしょに食事はしたものの、言葉の壁のハンディはなかなかしんどい。これがまだ英語なら対処もできるが、彼女らの話しているロシア語は…何を言っているのか分からない。"悲しいけどここが限界か?お前はよく頑張っているよ"心の中で自分を慰めた。やはり、こういう場面の疎外感は国際交流ではどうしても否めない。f:id:furton_13:20191128034016j:image

私とレザノフは彼女らをゲストハウスまで送って行った後、ペアレントに扉の暗証番号を教えてもらい、また近くのパブに飲み直しに行った。キエフ の地元のミュージシャンのライブを聴きがてら地元のカクテルを飲みながら夜の街を楽しんだ。ふと気がつけば、どこぞのラグビー選手真っ青の巨漢ヒゲモジャの熊系兄ちゃんやおでこにハーゲンクロイツの刺青がある爬虫類系の兄ちゃん、あと少しペインティングすればジーンシモンズそっくりのミュージシャン、レザノフと私に声をかけてくる太ももに蝶々と刺青のそれらしき娼婦…おそらくこの近くにそのような店があるのだろう…少し変な輩が多かった。

f:id:furton_13:20191128032037j:image

古今東西どこの国に行っても共通する事だが、こういう人たちとは関わり合いになりたくない。レザノフも"相手にしなくていい"と耳打ちした。どうも、ここは音楽を聴きに来る人、料理や酒を楽しむ人、一夜限りのメイクラブを目的の人が混在しているようだ。この店の音楽はロシアンとアラブのミックスの様な歌、ユーロビートモダンジャズとそれなりに楽しめたので満足!私たちはカウンターの横に座っていた営業熱心な"足に蝶の刺青お嬢"にその気がない事を告げて店を出た。深夜になるとさすがにこの街も治安も悪くなるので、タクシーを拾ってゲストハウスに戻った。
f:id:furton_13:20191128031943j:image