エピソード12コバルトの空、黄金のドナウ

2019.9.3

セチェニー温泉でひとしきりリラックスした後、急ぎ足でドナウ川クルーズに出かけた。

19:00からのドナウ川クルーズは5200フォリント生バンド付き…、18:30からのは普通の最終クルーズ4500フォリント、BGMあり、バンド無し…私はトワイライトの風景が大好きなので、夕方から夜に移り変わる…というよりも、夕方も夜も両方の風景が見れる18:30のやつを選んだ。ジョージハリスン似の生意気そうな30代くらいか…の男性はナイトクルーズじゃないとダメだ!とチケット売り場のキアヌリーブス似の兄ちゃんに偉い剣幕で詰め寄っていた。どうやら売り切れみたいだ…

結局このわがままハリスンと同じ船と相成った。呉越同舟ということわざがあるが、敵であっても味方であっても、あんまりこいつと同じ船に乗りたくないな…嫌な予感がする。

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普段でも職場、取引相手、プライベートではコミュニティ、同じ地域の集まりなど…いろいろあるが、競合し合う立場であっても「敵ながらあっぱれ」の奴もいるし、敵であっても味方であってもいけすかない奴もいる。前者はたとえライバルでもお互いが刺激し合いともに成長していける要素を持っているし、なによりもwin winの関係を築こうとしてるのがわかる。彼は真逆のタイプであった…これから彼のことを(ジョージハリスンに失礼なので)平人君と呼ぼう。誤解を招くといけないので言っておくが、私がヘイトしているのではない…ヘイトされているのだ。

チケットを買い私は対岸が見える窓際の席に座った。ここからは、今日行ったゲッレールドの丘が見える。そこから写真を撮ろうと思った。しばらくして、船が混んできて、私の席をひとつ開けて通路側にポーランド人の女性が座ってきた。どうやら彼女も一人旅らしい。今度の旅な何故か若い女性と縁があるな…本当にびつくりぽんである!彼女もカタコトの英語が喋れるらしく、どうやら夏休みを利用してブダペストに来ているらしい。宿に荷物を置いて身軽な格好をして来たらしい…でも黒のジャージは正直身軽すぎるぞ!この後、ウイーンから電車で来る彼氏に会いに西駅に迎えか行くらしい。……その話を聞いて、少し?いやかなりかもしれない…落胆したが…私はいったい何を期待していたのだろう…。男はいつになっても助平である。

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私の英会話はホワッチャアネーム? ホワットパーパスステイ ジス カントリー?ユーア ベリー キュート.…若い女性への社交事例みたいなものであるが、これ言われてうれしいとと思わない女性はあまりいないと思う。そして、こんなヘナチョコ英語でも通じるのが不思議…!

そこに先ほどの平人君が酒に酔って、私とポーランドの彼女の後ろに座った。なんか、わめきながら…そしておもむろに。ヘイ!チャイニー…(チャイニーズじゃねーよ。ウザい野郎だな!)ユー マスト ギブ ミー シート(なんだと?) ヘイ ガール!ドント トーク チャイニーズ(チャイニーズじやない!)だったような…あまりにむかついたのでよくセリフは覚えていた!

後ろから、酒臭い息を吹きかけて話に口を挟んで妨害してくる。気がつくと他の乗客にもクダを巻いて絡んでるし、あっちのカップル、こっちの老夫婦…いったい何しに来たんだ?リュックからウイスキーらしきものを出しては飲み、出しては飲み…グデングデンに酔っていた。案の定、平人君次の船着場で何人かの乗務員に腕を掴まれ下船させられた…もっと良い一人旅が出来ないのか?

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嵐が過ぎ去ったようで…気がつくと外はトワイライトからコバルト色の空に変わっていた。そして、鮮やかに黄金色の建物に、派手すぎない電飾…とにかく綺麗だった。

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この時ばかりは、この景色を一人で見るにはとても切ない!綺麗すぎる風景は、時としてものすごい寂しさを引き起こす。切ないけど綺麗だ…すぐさま賑やかなところにも行きたいけど…ずっと佇んでいたい…などと浸っていると、ポーランド人の横にいた彼女…名前はカーシャと言っていたかな?が声をかけてきて、シャッターを押して欲しいとゼスチャーしてきた。そんなことで私も写真を撮ってもらった。

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幻想的なクルーズを終えて、地下鉄乗り場に行ったら、カーシャ?がいたので、思い切ってdid you eat you dinner?その跡が出てこなかったので、shall i escoat restrant?…とても適当な英語だったが、言いたいことは通じたみたいだ。…

i must go to see fiancé…悲しいほどわかりやすい英語だった。仕方がない。地下鉄が来たので私は good bye!と言ったら、good trip!と帰ってきた。ブダペストの街はやはり寂しい😞

 

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